
人にやさしいユニセフ募金
みなさんはユニセフという機関をご存じでしょうか、これはアメリカのニューヨークに本部を置く国際連合総会の補助機関の略称であるUNICEFの読み方で、正式名称は国際連合児童基金といいます。
活動を始めたのは第二次世界大戦が終戦を迎えた1946年で、当時は国際連合国際児童緊急基金と呼ばれ、主に子供たちを対象とした戦後の緊急援助活動をしていました。
敗戦によって終戦を迎えた日本に対しても支援を行っていた組織でしたが、1953年には現在の名称に改まり、世界中の発展途上にある国や内戦などで被害を受けた国の子供達を支援する組織へと発展し、現在では子供の権利条約の普及活動に努めたり、親の生活が自立することこそが支援として親に対する栄養知識の啓発活動など、幅広い支援活動を行っています。
ユニセフの活動資金について
このユニセフは主に世界各国の政府から任意で集められた資金と、民間からの募金によって活動をしおり、その内の6割から7割は各国政府から提供された資金ですが、それに続くのが民間から募金された資金で、全体の2割を占め、こうして集められた資金は予防接種や下痢に伴う脱水を防ぐ経口補水塩などの医療物資の調達、浄水のための薬品やマラリア予防のための蚊帳といった生活物資の調達に利用されているのです。
現在の日本ではそんな物まで支援するのかと驚かれるような物があるかもしれませんが、現在も食料だけではなく栄養の知識が無いために栄養不良におちいる子供たちがいたり、マラリアを媒介する蚊に刺されないために必要な薬品や物品が不足している国があるからです。
ユニセフ募金を活用する
困っている人のために少しでも何かしたいから募金をしたいと考えた時、ユニセフ募金もその選択肢のひとつになっているかもしれません。
ユニセフ募金は下限金額のないものなので、少しずつの善意であれば商業施設にある募金箱や学校祭などのイベントでの活動を利用する方法もあります。
他にも海外旅行で換金した後、使う機会がないまま日本円に戻せていない海外の貨幣を寄付することも可能で、これらは募金箱が無くても全国から郵送による寄付が可能です。
そして継続的な支援や、緊急の支援を求めている地域に対する支援を希望しているなら、各種のユニセフ募金に協力することもできるのです。
ユニセフ募金の種類
ユニセフ募金にはいくつかの分類があり、継続的な支援と単発でも可能な支援があります。
単発でも可能な支援には、組織の活動全体を支える物に加え、特定の紛争地域や災害被災地への緊急支援を行うものがあり、ユニセフが進める特定のプロジェクトに対する支援も可能です。
一方、継続的な支援を希望するのであれば、毎月決まった額を募金することも可能です。
そしてこれらの募金については、協力した人に対する税制上の優遇措置があることをご存じでしょうか。
税制上の優遇措置が受けられる
もし、日本ユニセフ協会を通じた募金をするのであれば、この団体は公益財団法人として認可されているので、税制上の優遇措置が受けられるのです。
税金の額に影響する税額控除を適用した場合には、年間所得の40%を上限に定めてはいますが、寄付をした金額から2,000円を引いた額の40%の額面が、所得税から控除されるのです。
控除額は所得税の25%を上限としているものの、納税の際の不利益にはなりません。
また、所得を差し引いて税額を抑える所得控除が有利になる場合には、寄付した金額から2000円を引いた額が適用されます。
参考>>ユニセフ(日本ユニセフ)への支援キャンペーンについて
募金に協力したことを証明する領収書の保管が必要
ただし、どちらの控除についても上限額や所得税率の違いといった詳細な条件が課せられおり、一概にどうするのが有利であるかは判断できません。
さらに、税制上の優遇措置には住民税での優遇が認められている自治体もあるため、非常に複雑な制度です。
できるだけ無理をせずに最大限の協力をしたいと考えている場合には、事前に所得税の申告をシミュレーションするなどの準備が必要です。
加えてこの措置を受けるためには、募金に協力したことを証明する領収書の保管が必要になります。
継続した協力の場合には年末に一年分の募金額の証明が発行されますが、いずれの場合も再発行は非常に時間がかかるため、確実に保管することが重要です。
寄付金に対する税制上の優遇は募金への協力がしやすくなる半面、その範囲が分かりづらいものなので、不明な点は最寄りの税務署に問い合わせるなどして、無理のない協力が続けられるようにしたいものです。
まとめ
日本では衛生的な上水道やトイレが整備されており、頑丈で清潔な校舎の学校が当たり前ですが、世界にはトイレすら整備されていない地域もあり、多くの子供たちが感染症の危機にさらされ、それらを回避する手段や知識が得られずに居ます。
ユニセフ募金への協力は、そうした地域の子供たちがもっと衛生的で健康を維持できる環境の整備し、安全に暮らす知識を得るための活動への協力です。
少しでも人の役に立ちたいと考えているのであれば、まずは彼らの活動を知ることから始めませんか。
最終更新日 2025年7月24日