
食品のパッケージにはどのような種類があるのか
様々な食品を安全に保つため、食べ物は特にパッケージがされていることが多いです。
パッケージの材質はプラスチックが多いように感じますが、平成26年に公益社団法人日本包装技術協会が包装出荷金額を調べたところ、紙が最も多く41%ほど、次いでプラスチックの約32%、その後金属、ガラスとなっていたことがわかりました。
目次
紙類が意外と多い理由とは
紙の場合、強度に問題があるように感じますが、ジュースや牛乳などを保管する際にも紙パックが使用されており、そのほかにもチョコレートなど柔らかいものを守るためのボックスやビンなどのラベルにも使われています。
紙類が意外と多いのは印刷しやすいことやリサイクルしやすいためであり、処分が比較的楽なことがあげられます。
ただし、肉や魚類など生鮮食品を包装するには水分が出るなどの理由から不向きであり、この場合はプラスチックが使われることが多いです。
プラスチックはポリエチレンとポリプロピレンなど4樹脂が最も多く、用途に合わせて使用していきます。
ポテトチップスやコーンフレーク、せんべい菓子などにおいては軟包装としてピロー型包装紙が用いられており、近年では電子レンジでそのまま加熱処理ができるレトルトパウチも多くなってきました。
納豆が入った容器もプラスチックであり、さらに醤油などの液体食品を補完するボトルもプラスチック製です。
肉や刺身などをもり合わせる時もプラスチックトレーは使用されていますが、肉や刺身トレーではお菓子類を守るプラスチックとは若干性質が異なっており、大変柔らかく機能面を重視した造りになっています。
プラスチック製品は変形を起こしたり食品を守れなくなったりするので注意
このようにプラスチック製品では使用目的によって適切なものを使用しないと、加熱や衝撃によって変形を起こしたり食品を守れなくなったりするので注意しなくてはなりません。
金属はアルミと鉄が使われており、ビールや飲み物類、魚やフルーツなどの缶詰などに使われています。
金属はもともと液体に触れる時間が長いと腐食していく性質があるので、食べ物に使うものに関しては、鉄はスズメッキまたはクロムメッキ処理をしており、必要に応じて樹脂でさらにコーティングを施してあります。
金属においては強度がある他、酸素や水、光に対して遮断性が高いため、長期的な保存が必要なもの、密封したほうが良いものに対して使用されます。
なお、缶類の飲み物は保管方法が面倒なことから、プラスチックを利用したペットボトルが主流となっており、今では缶コーヒーなどのように飲み切れるもの、ビール類などに限定されるようになってきています。
ガラスにおいては光は通すものの、他の酸素や水に対しては遮断性が高いので、ジャムやドレッシングなどの食品で使われます。
缶やプラスチック、紙への容器変更をすることが多くなった
透明性があり清潔感や高級感がありますが、ガラス製品は重いことや落とした際に割れやすい、中に入っているものを取り出す際にビンの周りにつくなど清潔面で不安があるなどの欠点があり、近年ではできるだけ缶やプラスチック、紙への容器変更をすることが多くなりました。
特にジャムに関してはビンで販売されているものは大変にデザイン性が良いのですが最後まで使い切るのが難しく、ジャムをカビさせてしまうこともあります。
ジャムにおいては少量のものであれば紙パックになっていることもありますし、プラスチックを利用した一人使い切りパックのようなものもあるので、購入者においても用途に合わせて選ぶと食べ物を無駄にすることはありません。
パッケージは大変重要であり保存や持ち運びに適しているか、ということの他に、いかに消費する人の目に留まるかどうかという点が大切になります。
パッケージのデザインそのものが広告の役割を担うことも
スーパーなどではパッケージのデザインそのものが広告の役割を担うこともあり、その商品の特徴をしっかりとパッケージに盛り込むことで、購入を検討する人がどのような商品なのかを判断することができるので、形、材質、デザインを吟味し、その食品に合ったものを使用しなくてはならないと、パッケージ専門の朋和産業は解説しています。
なお、近年では海洋プラスチックの問題から、お菓子の包装に関しても徐々に紙で代用されるようになってきており、コーンなどの野菜、トマトピューレなどは紙パック化しています。
これらの製品は技術力の進歩から、紙であっても強度はあり、さらに持ち運びができやすい、ゴミの分別がしやすいという点から購入者にも受け入れられるようになってきているのが現状です。
また紙においても必要以上に使用をしないことが多く、ビンのラベルにおいてもあえてシンプルにすることによって購入する人の目に留まりやすくするなどの工夫がされています。
まとめ
なお日本においては食べ物に対して衛生面や運搬の問題、さらに広告の役割を担っていることからパッケージをすることが多くなっていますが、海外ではできるだけ食べ物の包装を少なくし、シンプルな生活を心がけている国もあります。
どの様な場面で包装を行っていくか、ということも日本においては課題となっており、資源をどのように有効活用していくかが大切になっています。
最終更新日 2025年7月24日